【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
すぐに先輩の教室に向かって、走る。
止まれない
止まらない
止まることなんて、できない。
ミア先輩が好き。
それ以外に理由なんかいらないでしょ。
だったらそう、素直になればいい。
たとえ先輩に振られたって……こんどは私が追いかける番。
そうでしょ…?、先輩。
窓の四角に合わせて廊下に落ちている光を踏みながら、駆ける。
痛いこの胸も、鳴り響く心臓も
ぜんぶ、恋の現れだとしたら。
惑わされてるね。
振り回されてるね。
でも、そんな思いを味わえる恋は嫌いじゃない。