【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「ミア……先輩!!」
教室から出て、すぐ近くにある階段を降りていくミア先輩の後ろ姿を見つけた。
すぐに大きな声で名前を呼んで、呼び止める。
息を切らしながら、階段の下を見ると。
先輩は途中まで降りた階段で立ち止まっている。
「ねえ~、美秋早くいこー?」
猫なで声の女の人が、急に立ち止まり始めた先輩の腕にスルリと腕を絡める。
だけど先輩は「先に行ってて」とだけ言って、その言葉に素直に従う女の人が、階段を降りていく。
ミア先輩は私を見上げ
私はミア先輩を見下ろし
二人だけの世界に入ったみたい。
ここには私達以外、誰もいない。
数秒の沈黙。
先に口を開いたのは、ミア先輩の方。