【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。







「ミア……先輩!!」


教室から出て、すぐ近くにある階段を降りていくミア先輩の後ろ姿を見つけた。


すぐに大きな声で名前を呼んで、呼び止める。


息を切らしながら、階段の下を見ると。


先輩は途中まで降りた階段で立ち止まっている。



「ねえ~、美秋早くいこー?」


猫なで声の女の人が、急に立ち止まり始めた先輩の腕にスルリと腕を絡める。


だけど先輩は「先に行ってて」とだけ言って、その言葉に素直に従う女の人が、階段を降りていく。




ミア先輩は私を見上げ
私はミア先輩を見下ろし


二人だけの世界に入ったみたい。

ここには私達以外、誰もいない。



数秒の沈黙。


先に口を開いたのは、ミア先輩の方。





< 143 / 309 >

この作品をシェア

pagetop