【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
そんなこと言われたら、頷くことしかできないって……知ってるくせに。
「ほんとズルいよ……ミア先輩」
「なんとでも言って。
それより」
グイッとミア先輩が、ベッドと私の背中の間に手を入れてきた。
そしてそのまま、力をいれて私を起き上がらせると、抱き締めてくるから。
何事だとあたふたしていたら、こんどは逃がさない様に、目の奥を見つめてくる。
どき、どき。心臓の動きが先輩に左右され。
今にも……爆発寸前だよ。
「追いかけてくる天沢ちゃんは、確かに可愛かったけど」
「……」
「怪我してまで追いかけてこいなんて、言ってない。」
「……じゃあ冷たくしないでくださいよ」
「……それ言われちゃ、敵わないから。
今からめちゃくちゃに甘やかす。」
「せっ……」
先輩の文字を言おうとする度に、止められるこの唇は。
いつだって先輩の思い通り。