【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「ねえ、天沢ちゃん」
「は……い?」
「キスしていい?」
「……っ」
「こんどはちゃんと、お互いに気持ちがあるから。
それなら、いいでしょ?」
甘すぎるその言葉に、顔に熱が集中する。
素直に小さく、こくりと頷くと。
ミア先輩は、私の目を見つめたまま、手首を引っ張り、噛みつくようなキスをしてきた。
「んっ……せっ、」
息ができない。
それくらい、お互いに余裕がない。
でも、心が繋がってるキスは、こんなにも気持ちいいなんて。
両思いじゃなきゃ味わえない、感覚だよ。
ねえ先輩
「好きだよ、天沢ちゃん」
私が言おうとした言葉を
余裕ない表情で言う先輩は、どこまでも……ズルいね。
「私も……好き」
ボーッとした頭で、そう伝えると。
先輩は嬉しそうに、微笑んだ。