【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。











「ねえー、先輩。降ろしてよ~、恥ずかしいよ~」


「やだね。怪我してる天沢ちゃんを降ろすなんて、そんなひどい真似、さすがの俺でもできない」


「……もっとひどいことした人が、なに言ってんだか」


「もう一度その口塞いだろうか?
 ついでに激しさも追加で、してあげるよ」


「ごめんなさい」



保健室から出て数分が経つ。

足を怪我してる私を先輩がおぶって、帰り道を歩く。


この年になって、おんぶされるとは思ってもみなかったから。

正直なんの拷問なんだろうこれって、思ったけど。


先輩の横顔があまりにも嬉しそうだから、なんだかんだ許してしまう。



それでもやっぱり……通行人に見られる度、恥ずかしくなって、先輩の背中で顔を隠すけど。



背中を怪我している先輩は「痛いんですけど。」と、苦笑いしている。


先輩の背中を気遣いながら、背中からできるだけ体を離していると。

数分後、無事に私の家の前に到着。



先輩が私を降ろす。





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