【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「天沢ちゃん、俺に喧嘩売ってんの?」
お昼休み。
夏休み明けの、先生達のはりきったテンションで行われた授業に、正直疲れきっていた。
噂も気になるけど、先輩とお喋りできないのは寂しいから。
あまり人の来ない、屋上に上がっていく階段で密会。
朝から先輩に渡そうと思っていた新品の目薬を先輩に渡すと、早速怒られてしまった。
「だって先輩、おかしいよ。
私のこと可愛いなんて、絶対ちゃんと見えてないでしょ」
「視力悪かったらメガネ掛けてるつーの。
天沢ちゃんどんだけ自分に自信がないの」
そりゃあ、初カレがミア先輩なんて。
恐れ多すぎて、怖くもなりますって。
「もしかして噂気にしてんの?」
私の弁当からひょいっと唐揚げを盗む先輩を睨む。
でも唐揚げよりも、今一番気になってる話題を出され、そっちに意識をもっていかれて結局怒れない。