【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「ミア先輩も、知ってるんですね」
「そりゃあ自分のことだから、嫌でも耳にはいるよね」
「私……浮気相手なんですって」
言った直後に、もぐもぐと卵焼きを食べていると。
ミア先輩に優しい目を向けられるから、不気味だよ。
「……なんですか」
「いや。こんな可愛い浮気相手いてたまるかって話だよね」
「ーーっ!?」
「浮気相手にするなんてもったいない。
なんなら"その"美人の彼女と別れて、天沢ちゃん本命にするね。」
「……」
「もし噂が本当だったらの話だけど」
クスクス笑われ、食べていた卵焼きを喉に詰まらせそうになった。
なに言ってるんだろうこの人。
変な噂たてられて。
怒るどころか、余裕そう。
しかも嬉しいこと言ってくれてるし……。
現実とまったく違う噂話でも、結局私を本命にしてくれるミア先輩ってば
ほんと私の喜ばせ方を知ってるよね。
そういうとこが好き。