【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
勝手だ、自分勝手すぎるよこの人。
ミア先輩のせいで、私生きた心地しないよ……。
だって。
「なにあの女。美秋のなんなの」
「一年のくせに生意気」
「てかブスのくせに、なに美秋に近づいてんのよ」
隠そうとしない悪口は、全部女の先輩の声で。
それらすべて、呪いをブツブツ唱えている様な、恨みのこもった声だ。
そんな声に興味なしの、ミア先輩は。
「守る」だのなんだの、適当なこと言って
結局私への悪口は放置じゃないか。
ふと、目を端にやって、教室の中を覗く。
真っ先に見える机やイスは、海の引き立て役に回るサラサラとした砂だとしたら。
いつもの席に座っている斉藤先輩の姿は、キラキラとした夏の太陽で輝いた海そのもの。
だけど、斉藤先輩はこっちを見ないで、友達と仲良く笑っている。
こんなに女子が騒ぎ立ててる中で。興味ないと、こちらに目を向けない時点で。
私なんてやっぱり、斉藤先輩の眼中にないんだ。
分かってはいたけど、好きな人の視界すら映れないのはショックだ……。