【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「ねえ、あんたさ。
美秋に構ってもらってるからって、休み明けから調子乗りすぎなんじゃないの?」
腕を組みながら、私を睨んでいるポニーテールの人は。
どっからどう見てもカースト上位、一軍。
そんな人に急に怒られるんだもん。
驚いて頭が真っ白になる。
「なっ、なんですか急に」
やっと絞り出せた声は、そんなに大きくない。
けどトイレだから嫌に響く。
先輩達が一気に私との距離を詰めるから。
ーートンッとトイレの壁に背中がくっついた。
もう逃げられない。
「あんた、美秋の浮気相手とかワケわかんない噂流されて、喜んでんでしょ?」
「っ!?」
「美秋があんたなんか、本気で相手にするわけないのに。バッカじゃないの」
知りもしない先輩相手にムカッときた。
変な噂流されて喜ぶわけないじゃん。
逆に怒りたい気持ちを、こっちは堪えてるんだよ!?
……浮気相手なんて、そんなの全然嬉しくない。
本命の方がいいに決まってるのに
先輩達はそうじゃないのかな?