【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「たくっ、あいつらは……」とブツブツ文句を言いながらトイレから出る先生の後ろをついていくと。
こっちに向かって廊下を歩いているミア先輩とバッチリ目が合った。
田中先生は二年生の授業を受け持っているみたいで。
ミア先輩を見ると「遅刻だぞー」と声をかけた。
だけど先輩はそんな先生を無視して、ズカズカと一直線に私の前にやってきて。
「天沢ちゃん、なにかあったの」
急に手を握られるんだもん。
驚いて先生と顔を合わせると。
ミア先輩は「先生、早く授業行ってきなよ、邪魔」と、授業に遅刻してるのは先輩の方なのに逆ギレしていた。
「てんめ、小波~!先生に向かってなんだその口の聞き方は」
「先生こそ。なんで天沢ちゃんと女子トイレから出てきてるんですか。
教師が生徒に手を出していいとでも思ってるんですか?しかもこんな真っ昼間から」
「ちがーう!誤解だー!!
この子が俺のクラスの子達に責められたから助けたんだ!!」
「……」