【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
手をひらひらと横に振って、今度こそ帰ろうとする先輩。
先輩と優愛さんになにがあったかは知らないけど
ミア先輩。ほんと優愛さんに攻撃的なんだもん。
元カノだけど。私にとって気になる存在だけど
そりゃあちょっとは同情しちゃうよ。
「あの……!」
周りの人達が優愛さんを慰めてるのなんか構いやしないと
勇気を振り絞って、優愛さんの目の前に立てば。
「私も優愛さんに話があるので」
「……」
「その。今から二人で話しませんか?」
こっからは女の闘いだから。
こんなモヤモヤしたままで、先輩とお付き合いなんかできない。
だから、私なりに私自身と向き合おうとしてるのに。
「なに勝手に決めてんの、天沢」
やっぱりミア先輩がそう簡単に許すわけがないんだなあ……。
まあ分からなくもないよ、先輩の気持ち。
だって普通に嫌でしょ。
元カノと今カノが二人っきりで話すなんて。