【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。











「さすがに心が折れた。」


放課後の教室は、秋にも似たオレンジ色の夕焼けで支配されている。


あの後、泣きながら教室に戻るなんて
クラスメイトにそんな情けない姿見られたくなくて、保健室へ直行。


今は机に突っ伏して、涙は枯れたけど、腫れた目のせいで、我ながら悲惨だと思う。



優愛さんのことも

ミア先輩のファンのことも。


さっきミア先輩に冷たくされたことも。



全部まい実ちゃんに話した。



そんなまい実ちゃんは、私にかけてあげる言葉が見つからないのか。
さっきから背中を優しく擦ってくれている。


何か言葉を思い付いたのか、まい実ちゃんの口が開く。


「ほら、ミア先輩ってなに考えてるか分からないとこあるから」


「でもさっ!確かに皆には内緒で付き合ってるかもしれないけど。
 普通彼女にあんなこと言う!?」


「言わない。さすがにひどいよねミア先輩」


「ちょっとまい実ちゃん、先輩の悪口言わないでくれる?」


「同情してほしいのかしてほしくないのか、どっちなのよあんた!!」


「あーあ、これって絶対別れるパターンだよね?
 てかもう話しかけないでって言われたし、自然消滅?それとももう振られちゃったの?」


「そんなに気になるならもう一度、ミア先輩に聞いておいで」


「無理だよ~、怖いよ~、死んじゃうよ~」


「……(ダメだこりゃ)」




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