【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
今頃優愛さんは、ミア先輩に告白とかしちゃってるんだろうな~。
そう考えると、更に落ち込むから
現実を見たくなくて、机に突っ伏したまま目を閉じる。
すると。
「あっ」と、まい実ちゃんの声が頭上から落ちてきた。
「ちょっと詩、起きて起きて!!」
ゆさゆさと私の肩を掴んで、慌てた様子で揺らしてくるまい実ちゃん。
「もう~、なに?」
「ミア先輩が!!校門前で謎の美女と一緒にいるよ!?」
「ーーッ!?」
「あれ、詩が言ってた元カノじゃない?!」
勢いよく立ち上がって、窓の外を見たせいで
イスが後ろに倒れる。
ほっ、本当だ。
まい実ちゃんの言う通り
ここから見たんじゃ、小さくてハッキリとはしないけど。
ミア先輩と優愛さん、二人とも目立つ存在だから
二人に間違いないってことだけは遠くから見ても分かる。