【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「……」
二人が一緒にいるからって、それがなに?
優愛さんは今から告白するんだ。
邪魔なんてできないし
ミア先輩には話しかけるなってハッキリ言われちゃったし。
何度もため息を吐いて、イスにお尻を戻そうとしたら。
イスが倒れていたことなんて忘れていたせいで。
そのまま床に尻もちをついた。
そんな私のマヌケな姿を見て、大笑いしているまい実ちゃんは
感情を失くしたかのように急に無表情に戻り、口を開ける。
「詩、ほんとにこのままでいいの?」
「へっ?」
「ミア先輩のこと、好きなんじゃないの?」
「好きだよ……でもさ、先輩もしかしたら優愛さんのことまだ好きかも」
「んなわけあるかーい!!」
ちゃぶ台をひっくり返す様に、机を持ち上げようとしたまい実ちゃんは。
予想以上に重かったのか、机から離れて、腰を数回叩き、私に視線を戻す。