【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。





逃げ癖がついてしまった体が、振り返って長い廊下を駆け抜けようとしたその時。


後ろから、揺れ動く影に呑み込まれて。
私の体は引き戸に押し付けられる。



押し付けられたかと思いきや、こんどは手を握られ、その手を誰かが無理矢理引き戸にかけさせた。



「逃げちゃダメじゃん天沢ちゃん」


「ーーッ」


「せめて言いたいこと言ってから逃げな?
 俺の時みたいに」


 
操り人形の様に、私を動かすのはやっぱりミア先輩で。


なんで後ろにいるの。


そんな事を聞こうとする私を無視して、重ねた手で、ーーガラッと引き戸を開けさせた。



「「「……」」」



さっきまで悪口で埋まっていた教室の空気が一変。

私とミア先輩の登場に、すぐ黙り込む三人。


それもそのはず、本人を目の前にして文句が言えるほど、人って神経図太くない。




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