【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
失礼男の顔は、とても綺麗だった。
サラサラとした、透け感のあるセンター分けされた黒髪のマッシュヘア。
涼しげな目は、大きくはないが、形がとても良く。
3秒目を合わせたらその色気に惑わされてしまいそう。
目の下には、小さな泣きぼくろがある。
鼻筋はスッと通っていて、素直に羨ましいと、ずっと見ていたくなるくらいに綺麗。
唇は血色が良く、ほどよい赤色。
綺麗。
この失礼男は綺麗すぎて、顔は汚れを知らなさそう。
「とっ、とにかく……!
自分の顔が整ってるからって、女をからかうなんて、顔が良くても最低ですよっ!!」
見惚れてしまったことは絶対口には出さずに、我に返って言い返す。
失礼男は私を見下ろしながら、靴箱に履いていたシューズを入れて、靴を取り、ドアを閉める。
「時間切れだね。
後で俺の靴箱にラブレター入れなかったこと、後悔するかもよ?小鹿ちゃん」
「すっ、するわけないからっ!!
それに小鹿ってなんなんですか!?」
「さっきラブレター入れようとしてた時、震えてた後ろ姿がまさに生まれたての小鹿だったから、小鹿ちゃん。」
「~~っ!!
小鹿じゃないです、天沢詩っていう名前が私にはあるんです!!」
「あらら、名乗っちゃって。
そんなに俺に名前知ってほしかったの、天沢ちゃん」
「先輩がからかうからでしょ!?
それにもう苗字で呼んでるし」
「そりゃあ名乗られちゃったらね?」