囚われの王子様。
「いや私2階ですし、中もそんなに広くないですよ」
確かに去年、前に住んでたマンションよりかはグレードを上げたけど。
絶対に須藤さんの方が良いマンションに住んでるに決まってる。
高層階は確かに、なかなかの家賃のこのマンションだけど、私の住んでる2階あたりはそこまで家賃も高くない。
海外帰りのエリート、須藤さんに『良いマンション』なんて言われるとちょっと恥ずかしい…。
なんて、恥ずかしがってる場合じゃなかった。
部屋に上がってもらうか、決めなくちゃ。
悩みつつも、マンションのエントランスにたどり着きそうになったとき、
「本当は、なんか食べて帰るかって言いたいところなんだけど」
と、急に須藤さんが足を止めて話し出す。