そのアトリエは溺愛の檻
「私、そんなこと知らないから。あのチェストが開いてて雪乃さんの写真見て、てっきり彼女がミューズなんだと思って。他の人に同じように触れているのがショックでもうモデルなんてできないって思ったから髪を切って」


混乱して言葉がうまく出てこない。
水嶋雪乃の笑顔は、冬樹さんに向けられたものだとわかった今、私の行動が間違いだったとはっきりした。


「俺のせいであんな綺麗に伸ばした髪を切らせることになったのか」

「ごめんなさい。長い髪が好きだって言ってたのに」

「いや、別に短いのも好きだよ。あの時長い髪の話をしたのはモデルになってもらうための口実だし」

「そうなんですか」

「俺は百音がどんな姿でも好きだ。それに謝るなら、髪のことじゃなくて、俺の気持ちを疑ったことを謝ってよ。バルコニーでちゃんと気持ちを言ったのに」

「ごめんなさい。信じなくて」

信じてもらえない悲しみを私は知っていたのに。


「それと?」


私もきちんと口にしたい。


「私も、重秋さんが好きです」

「ようやく言った」


息ができなくなるくらい、ぎゅっと抱きしめられる。
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