そのアトリエは溺愛の檻


翌日、約束の13時にアトリエの玄関を開く。

心配していたむくみはなく、撮影に支障はなさそうで安心した。髪も肌も手入れはバッチリで、気合入れすぎかもしれないけど、どうせなら少しでもきれいな姿を撮ってもらいたい。回を重ねる度にそういう気持ちが強くなっていく。

いつも金曜の打ち合わせ後だったので、昼の撮影は初めてだった。とはいえ、現像される写真はモノクロだし、スタジオでの撮影なので昼夜も天気も特に関係ない。いつも通り彼の用意した衣装を着て、彼の指示通り撮影が進んでいく。

今日の衣装はとろみのあるシャツとワイドパンツで、少し気だるさを感じるように撮っていく。だいぶ慣れてきたこともあり、少しずつ撮影で要求されることも増えていった。彼の希望にきちんと応えられているかはわからないけど、一応OKをもらえている。


「よし、今ので終わり。お疲れ様」

「ありがとうございます」

「こちらこそ、ありがとう。で、終わって早々なんだけどさ、今日まだ時間あったらもうちょっと付き合ってもらってもいい?」

「はい……」
< 63 / 113 >

この作品をシェア

pagetop