そのアトリエは溺愛の檻
理由も分からず返事をしてしまったけど、なんだろう。

「せっかくいい天気だし、外で撮影してみたいなって」

「外?」

「ついて来て」

スタジオを出て重秋についていくと、陽の当たる広い空間に出た。普通のマンションのベランダのように端にあるのではなく、まるで中庭のような場所で、この辺りは他に高い建物もないから、外からは見えることのないプライベート空間となっている。

「すごい」

外と言われて驚いたけど、ここなら人に見られる心配もなく撮影できそうだ。


「撮影もできる中庭が欲しかったんだ。中庭じゃなくバルコニーって呼べって言われてるけど」


そういえばオーナーが知人だって言ってたけど、ここは本当に設計の段階から重秋のために作られたフロアのようだ。こういうところは本当に、さすが有名人だと思う。一般人とは感覚が違う。
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