そのアトリエは溺愛の檻
「やだ、二人とも鋭い」

「ってことは」

もう隠しても仕方ない。全部吐き出してしまおう。


「そうだよ、正解。撮影中にね。でも緊張ほぐすために抱きしめたりとかキスとか、でも本当にそこまで」

「やっぱりな」

「でも彼には本命がいた。私は遊び。結局去年と同じだ。私ってそんなにだめかなぁ。参っちゃうよ」


自分で言っていて悲しくなる。

「考えてみたら相手も一緒。小さくて優しそう可愛くて、私と正反対。結局男はみんなそういう女の子らしい子が好きなんだよ。大きくていいことなんて全然ない」

「そんな結論づけして気が晴れる? それならこのまま聞くけど」

「それは……」

「去年の男に関しては運が悪かった、それだけだ。たった一回のハズレくじで他を諦めてたら一生いい男には巡り会えないと思うけど?」

「でも、賢木くんだってそういう女の子が好きなくせに」


これは完全な八つ当たりだ。相談に乗ってくれている賢木くんにあたるなんてどう考えても間違っているけど、つい口から出てしまった。
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