そのアトリエは溺愛の檻
「だから雨宮には同じような後悔をして欲しくない。自分が崖っぷちでのとき、相手の相手を警戒する心の余裕なんて必要ない。いるのは相手に向き合う勇気だけ。今ならまだ遅くないんだから、ちゃんと自分の気持ち伝えてぶつかってこい。これはダサい経験を経た友人からのアドバイスだ」


私が行動したら何か変わるだろうか。想像もつかないくらい私は何もしていなかった。
勝手に好きになって勝手に諦めて、自分が傷つかないように逃げようとしているだけ。重秋にも私は何も言っていない。


どうせダメでも、気持ちを伝えてはっきり切り捨てられるほうがこうやって負のループに入るより傷が癒えるのは早いかもしれない。

確かに私は元彼の一件で恋に臆病になっていた。そんな私が一年ぶりに恋ができたんだから、あと一歩だけ踏み出してみよう。


「勇気か。そうだね、わかった。少しだけ頑張ってみる。で、思いっきり砕けたら奢ってよね」

「はいはい、いくらでも付き合うよ」

「よし、今日も飲むぞ!」

「じゃ、これで奥田さんからのミッションクリアっと」

「何、どういうこと?」
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