王太子様は、王宮薬師を独占中~この溺愛、媚薬のせいではありません!~
「もちろん誓います。あなたと共に生きていく」
見つめ合うふたりの唇が重なる。触れるだけではないキスはもうすでに何度もしているけれど、毎回エマの胸をとろけさせるものだ。
待ちに待った結婚の日ということもあり、ギルバートはなかなか唇を離してくれない。
キスだけなのに体に熱がこもる。はあ、と荒い呼吸をこぼしてしまい。エマは恥ずかしさで身をすくめた。
と、そのとき、ガサガサという騒音とともに、一羽のマグパイが木の上から飛んできた。
少しふらふらとしながら、エマの近くの桟にとまる。
「バーム? どうしたの? 夜なのに」
バームは人間と生活しているからか、生活時間が規則正しい。
夜は巣に戻って寝ていることが多いので、エマはまさか真っ暗になってからやってくるとは思わず、驚きを隠せない。
「もう、眠い。……でも僕のエマを見ていなきゃ」
「結婚式の時も見ててくれたじゃない。そんなに心配しなくても大丈夫よ。それに、こんな夜に飛んで、バームが怪我をしたら悲しいわ」
「怪我なんてしてない。エマ……そのドレス、よく似合ってる。こんな男にやるなんて勿体ない……」
と言いつつ、バームはすっかり疲れ切っていたのかそのまま眠りについてしまう。
「もう、バームったら。……ギル、部屋に連れて行ってもいい?」
「ああ。だがそのままでは騒ぎになるな。俺の上着をかけて見えないようにするか」
エマがバームを抱き上げ、その上からギルバートが脱いだ上着をかけて隠す。
なるべくバームが見つからないように、出来るだけ密着して歩いた。