王太子様は、王宮薬師を独占中~この溺愛、媚薬のせいではありません!~
「だ、大丈夫なんですか、セオドア様は」
普段はおどおどと距離を置いて話してくるヴァレリアが、必死に掴みかかってくるのを見て、ギルバートは微笑んだ。
「大丈夫、命に別状はないらしいよ。……それにしても、あなたが、俺の顔をちゃんと見るのは初めてだね」
「え?」
ヴァレリアは王太子の服を掴んでいる自分に気づく、慌てて手を放す。
「す、すみません。こんなはしたないこと」
「いや。それだけセオドアのことが心配なんだろう? ……昨日もいった通り、俺とあなたの利害は一致している。君の恋を応援するよ」
「……はい」
ヴァレリアはホッとして、侍女には「王太子様と散歩してきます」と告げ廊下にでる。
ふたりで並んで歩きながらも、ヴァレリアには珍しく気が急いて仕方がなかった。
「セオドア様は本当にご無事なんですか?」
「ああ。エマのところに薬を飲みに来る予定になっているそうだ。そこで話をするといい。君の気持ちを、伝えるんだ」