Lingerie
「遅い……」
そう呟いたのは見慣れぬリビングのソファの上でだ。
何とも言えない告白の時間から彼女の要求通りに帰宅した先は彼女のマンション。
世の中便利な時代となっていて、シャツや下着なんかはコンビニに立ち寄れば全て整う。
職場においてあったラフなスウェットも持ち帰り、とりあえず今夜一晩の宿泊における不足はない。
先にどうぞと勧められた入浴も済ませ後に入った彼女の上りを待っている時間であったけれど。
元々長風呂タイプなんだろうか?
それともこの後の時間を予測しての準備時間というやつか?
最初こそ大人しく座って待っていたけれど待たされる時間が伸びる程段々と深くなる眉間の皺。
それを擦って伸ばして「落ち着け」と息を吐いて自分を宥める事に試みてはいるけれど…。
「……ダメだ、」
あっさりと理性的な自分を手放してしまえば欲に素直な自分の体は躊躇いもなく先程身を置いた浴室に向かう。
そもそも、彼女の緊張には申し訳ないけれどその緊張に応じるような行為までは考えていない。
いや、勿論健全な男子なわけでしたいしたくないで言えばすぐにでも抱きつぶしたいなんて欲求はある。
でも……それをしたらきっと俺の彼女への想いは価値が下がる。
『体目当て』だと宣言し彼女を手に入れた対価。
欲求のままに性的な意図で求めて抱きしめてしまえば途端に俺の想いは『体目当て』という意味相応に価値が下がる。