Lingerie




馬鹿の一つ覚えだと自分でも思う。

『触らせて』と自分を刻むように肌に触れて、胸元に唇を寄せて。

そうして愛情を込めて触れあう癖に彼女の双眸を見上げる事までは出来ない。

見てしまったら抑えが効かない。

堪え溜めおいた胸の内の感情が溢れて守ってきた一線なんてあっさりと踏み越える。

ダメなんだ。

彼女が俺を好きになってくれないと。

越えてほしいと縋って求めてくれないと。

ねぇ、だから、早く……


「……好__」

「っ…『好きです』とか言うなっ!」

「っ____」

その感情を促す様に自らが先に『好きです』と弾く瞬間であった。

それを遮るような声音と強引な力はほぼ同時。

不意に頬に広がった彼女の掌の力に持ちあげられて、見上げて絡んだ双眸は今にも零れ落ちん程の涙の膜を震わせている。

ああ……零れた。

「っ……」

「ミモリさ…」

「別れてください」

「っ……」

はっ____?

限界だと言う様に彼女の口から零れ落ちた言葉に一瞬思考が追い付かずにフリーズする。

そんな俺とは対照的に箍が外れたように彼女の口からは感情が零れ始めた。

「今更です」

「……は?」

「狡いんですよ。……終わりになってやっと私を見るなんて」

「ちょっ…ミモ__」

「私、あなたに触られるのが死ぬほど嫌いっ」

「っ…すみま」

「あなたに触られるのが死ぬほど好きだから、あなたに触られるのが死ぬほど嫌いですっ」

「………………えと……え?どっちですか?」

いや、本当に少し落ち着いて話をまとめてほしい。


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