Lingerie~after story~



それぞれ連れ添う相手と一緒にゆらゆらと揺れる幻想的なクラゲの水槽を見て回っていて、そんな中ひたすら一人で人を探して歩きぬける感覚は何となく寂しい。

なんか……厄日?

九条くんにはキャンセルされて、イズミには放置されて、カップルが多い中虚しく一人でヒールを響かせ歩き回るとか。

どんなに着飾っていても一人では楽しくないし心までは満たされない。

無意味に歩くのも疲れたな。なんて思って足を止めたタイミングだ。

トントンと肩を叩かれ、『イズミ』と思い咄嗟に振り返れば……

誰?

「一人?」

「……」

「ね、お姉さん一人?」

まったく見ず知らずな青年。

それなのに変に馴れ馴れしい笑顔と口調でのこんな声かけとくれば…無視だ無視。

そんな警戒働けば日頃の成果と言うのか、スッと仕事モードのつれない女に早変わり。

興味は無いと顔の向きを前に戻し、止めていた歩みを再開させたというのに。

「あはは、ガード硬いなあ。別に変な引きとかナンパじゃないんだって」

「……」

「暇だったらちょっと飲みに行かないなぁ?ってちょっと、ね?ちょっとだって。俺も急に予定空いちゃって、このまま帰るのもなんかつまんないな~って思ってのお誘いってだけだからさ」

いやいやいや、そういうのをナンパって言うんじゃないのか?

そして、つまらないなら他に友達でも誘って来いよ。

そんな友達すらいないのかよコノヤロウ。

……とか、私が言えた義理じゃないんだけど。


< 112 / 416 >

この作品をシェア

pagetop