Lingerie~after story~




まだ、フロアから入り込んだ化粧室の入り口付近んだ。

それでも抜けた部分のフロアは見えていて、そこを今程横切った姿に思考の停止。

でも瞬発的に再起動させると『えっ』と呟きながら足早にフロアに抜けてその姿の後ろ姿を捉えた。

高身長の高そうで品のいいスーツ姿。

背筋もすっと伸びた後ろ姿は馴染みのない装いでも記憶の姿と類似する。

九条……くん?

ええっ?なんで?と半信半疑のままなんとなくコソッとついて行くと、その姿が動きを止めたのはレストランとは真逆の位置にある展望フロアだ。

なるべく遠巻きに、改めてその姿を確認しても分かる。

普段とはまるでガラリと雰囲気の違うスーツ姿で、仕事でも下ろしたままの髪なのに今はすっきりとセットして綺麗な顔立ちをクリアにしている。

そんな彼はやはり人の意識を引く存在なのだと、近くにいる女性が色めいた視線で振り返っている事で再確認。

ってか……何で髪上げてるの?何でそんなスーツ姿?

何で……私も知らない九条くんの姿がそこにあるの?

なんて…子供じみた嫉妬の情なのか。

酔いも適度に回っているせいか面白くない事尽くしで眉根が寄ってしまう。

醜悪だと自分でも思う感情が心の奥からモヤモヤと黒味を広げて、こちらに気付きもせず携帯を取り出し操作し始めた姿にさえイラッとするなんて心の狭さ。



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