Lingerie~after story~
だけどもそんな苛立ちを相殺するように、手に持っていたポーチの横で震えはじめた携帯に意識を引かれる。
表示はまさに視界に捉えている彼からの連絡網で、LINEでのメッセージは『やっぱり今日は帰れそうにない。ごめん』なんて内容。
一体どんな理由の外泊なんだか。
私が見た事もない装いで、普段はその姿の露出を毛嫌いする癖に。
今ある姿はどう見ても見てくれと言わんばかりの魅力に満ちていて、そんな姿に惚れ直すどころか……面白くない。
だって……私の為の姿じゃない。
そんな自分でも驚く濁った色味の感情が言葉として頭に浮上した刹那、
「あ、爽っ、居た居た~、」
フロアに凛と通ったその声は高く透き通る女性の声音。
私がいる方とはまるで違う方向から声を発し自分をアピールしながら彼に近づく姿は……これまた……綺麗。
お人形が歩いてる。
そう思ってしまう程綺麗なプラチナブロンドのロングヘア―を靡かせ歩む姿は遠巻きに見ても愛らしいと言える顔立ち。
その距離故に細かいパーツまでじっくり把握することは出来ないけれど、細く白い肌の体つきもバランスが整って見える。
どういう知り合いなんだろう?なんて思った瞬間と同時だ。
歩み寄った勢いのまま彼の頬に伸びた華奢な指先。
そのまま頬に手が添われた流れを追って綺麗な音を弾く唇が彼の唇へと押し付けられた。