Lingerie~after story~
装いだってこんなだ。
あの視界に捉えられたとしても一瞬の後ろ姿に私なんて判断がつくはずもない。
仮に私だと気が付いても………追いかけて来てなんかくれるの?
あんな綺麗な人との時間を捨て置いて?
「っ……」
逃げ込むように身を置いていたレストランに入り込むと、楽し気な賑わいを小走りに抜けてテラス席に。
靴音響かせ戻ってみれば、さっきと何ら変わらぬような空間でイズミが『おかえり』なんて笑って振り返ってくる。
そんな瞬間に、さっきの事は夢であったのではないだろうか?なんて思う思考は現実逃避だ。
夢の筈……ない。
「ミモリ、大丈夫?飲みすぎて具合でも悪い?」
「……ううん、大丈夫。ちょっと考え事してて」
放心の名残、座る事も忘れて立ち尽くしていれば、さすがに怪訝な顔で声をかけてくるイズミに心配するなと小さく笑って隣に座り直した。
折角……楽しく飲んでいたんだから。
「あ、コレ私の?良い匂い~」
「………」
悩むにしてもイズミには関係のない事だ。
あとでゆっくり一人で考えればいい。
そんな無理矢理な意識をいい聞かし抑制しながら、さっきの続きだとテーブルに置いてあった新しいグラスに手を伸ばし触れたというのに。
持ち上げる事までを許さぬようにグラスに添わされたのはイズミの指先。