Lingerie~after story~
色々と不足。
思い描いてたデートと違う。
理想的じゃない。
でも……、
「私達……らしいのかな、」
そんな失笑混じりの言葉まで漏れる。
他人からも状況からも定番からもはみ出し者。
慣れない格好で慣れない事をしようとするから歯車が狂う。
なんて馬鹿馬鹿しいのか。
そんな思考をする自分の指先は無意識に、髪を綺麗に纏め上げていたヘアピンを外して乱していて。
コツリコツリと響く靴音で自分が歩み出しているのだと遅れて気づく。
そんな私に歩み寄るでもなく、ただ柔らかく吹き抜ける夜風に煽られながら妖艶に笑んでいる彼が一度もその目を逸らすことなくこちらを見つめていて。
一歩、二歩と近づく程に動悸と熱の上昇。
眩暈すら覚えそうな感覚なのに早く傍にと急く心があって……。
『触りたい……』
そんな感情のままに伸びた指先は彼の頬を滑って綺麗にセットされた髪を乱してまた頬に戻って。
一部始終、ここまでの間私がするままに受け入れてくれていた姿を、改めて真正面から見つめ上げるとさすがに少々の羞恥心が疼いた。
なのに……本能って凄い。
滲む羞恥を物ともせず、スッと動いた足はヒールより高くかかとをあげた。
あっ……と思った時には……彼の人目を引く顔を自分の顔で隠す様に口づけている瞬間で。
そっと触れて感触を確かめる様に押し付け反応を伺うように静かに離した。