Lingerie~after story~
ああ、それでもだ。
誰かに話すという事は吐きだした分だけは心の内が軽くなるものなんだな。
そんな事を思いながらほんの少し軽減した胸を確かめる様に撫で、闊歩する社内の廊下。
完全に消化できたわけではないけれど、自分だけではどうしても負の思考にまっしぐらであった歩みをイズミの助言で進路変更出来た気がする。
うん、そうよ。
九条くんには九条くんの事情あっての事で、蔑ろにされているわけじゃない。
そもそも職場が同じだから余計に過剰に考えてしまうのかもしれない。
これが勤め先が違えばまったくこんな現状にぶち当たらないわけで、接点が持てないとか紹介してもらえないとか、そんな悩みも抱いていない筈だ。
そうよね。私がなまじあの生活に馴染みすぎていたのがいけないのよね。
同棲なんてしてなきゃこんな独占欲じみた葛藤も抱く事なかっただろうし、ちょっと甘えきっていた感覚をリセットするのよ寧々!!
とりあえず、会社にいる間は仕事に集中色恋なんて二の次にしなさい!
散々な自分会議の末そんな叱責で自分を戒めると息を吐いて眼鏡をかけ直した。
ここ数日確かに勤勉な自分がお留守であったと気を引き締め直すと、持っていた新商品の写真に視線を落としながら自分の部署への道のりを歩む。
ああ、この新商品可愛い。
買っちゃおうかな。
でも、もっと質もデザインも良い下着が日々増えていっている現状だし。
そもそも…他の人の下着なんて九条くんが許してくれるはずないし。
…………って、結局九条くんの事思いだしてる私ってどんだけ末期なのよ。