Lingerie~after story~
自分の感覚を羞恥によって咎めて嘆いて否定して、最終的に彼のせいだと結びつけようとしたくせに。
結局は彼との毎夜の記憶に思いを馳せてしまうんだ。
どんな触れ方であったか。
あんなに当たり前の事であったのに今は記憶を辿らねば思い出せない触れ方や感触。
確か……本当に割れ物を扱うようにそっと……。
そんな彼の姿を思い出し、想像しながら自分の指先を胸元に触れさせる。
触れているのは自分の指先であると言うのに、脳裏にはしっかりとあの鋭くも妖艶な姿を思い浮かべているのだからドキリと心臓が跳ねあがって、余計な熱まで浮上した。
物凄く……柔らかく滑るような手つきで触れてくるのよね…。
その動きに厭らしさなんて物を感じた事がない。
性的な感情を悪戯に刺激するような触れ方はしてこない。
それでも酷く危うい一線ギリギリの抱擁は逆に言いようのないもどかしさを与えてくるのだと、再現の時間の余裕の内に思って溜まり始めた熱を吐きだした。
……刹那、
「あんた何してんの?」
「っ____!!!!!!?」
突如響いた声音には思いっきり肩を跳ね上げさせて心の中で大絶叫。
未だに『ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!』と叫んだままの状態で、浮上した羞恥を全て顔に集中させ振り返った先にはリビングのドア枠に身を預けてこちらを見つめているイズミの姿。