Lingerie~after story~



ソファに顔を埋めていられた時間は1分にも満たなかった。

すかさず無理矢理に顎に絡んできた力に強引に持ちあげられ、対面した九条くんの危うさには抱いていた羞恥すら飛んでしまう様な恐ろしさがある。

最早、九条【くん】なんて呼ぶのも憚れるほどの妖しさと危うさと。

九条【様】の降臨だ。

「人の事強烈に煽っておいて何勝手にリタイアしようとしてるの?」

「っ……いや…その……」

「何手休めてるの?ほら、続けて触りなよ。もっとああいう声出してくれなきゃご褒美のキスもお預けにするよ?」

「なっ……ちがっ…あ、煽ったとかそうい……ひあぁんっ!?」

「っ……てめえは、」

「フッ……ほーんと、あんな可愛く煽っておいてリタイアはないって寧々」

「気安く名前呼びすんなっ。それにお呼びじゃねえんだよ」

「フフッ、だって、煽られたんだもの」

だから、煽ってないってのに!!

そんな叫びは自分の内側でだけ虚しく響いて、今はだだ気を抜けば零れ落ちそうな声を留めようと必死に唇を閉じてしまう。

これまで、その存在を忘れるほど大人しさを見せていたイズミ。

それでも相も変わらずソファの上で俯せになっている私を覆う様に身を置いていたのだ。

それを忘れさせていた九条くんも凄いけれど、今になってイズミが『思いだせ』と言わんばかりに私に仕掛けてきたのだ。

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