Lingerie~after story~



当然分野違いの私には入り込めない話題だと疎外感を覚えて口を閉ざす。

そんな私に気付くでもなく、まったく理解できない専門用語で語らう2人に諦めて、静かにソファから立ち上がるとキッチンへ向かった。

そりゃ、あのぎくしゃくした緊迫感よりは和んだ今の時間の方が平和的でいいけどもさ。

でもあんな風に2人だけが共有できる話題に没頭されては私の身の置き場がない。

ここは一応私のマンションで私の部屋な筈なのに。

何で自分のテリトリーで孤立感を覚えなくてはいけないのか。

そんなどうにももどかしい感情に苛まれながら手を伸ばしたのは食器棚だ。

カラリとキッチンの背面にある扉をスライドさせて、いつもの所定の位置にと手を伸ばしかけて疑問に染まる。

伸ばした先に求めるグラスが不在であって、それを探し求めて視線を走らせれば……あら、届かない。

そう言えば前回使った時所定の位置に置けなくて、イズミが別の場所に置いたと言っていたっけ。

そんな記憶の回想をしながらヤレヤレと近くにあった踏み台を足で引き寄せ溜め息をついた瞬間。

「そうだったわね。この前ここに置いたんだった」

そんな響きと背後の感じる長身の気配と。

私では届かなかったそこに難なく手を伸ばし、人数分のグラスを取り出すと『はい、』なんて私に渡してくる。

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