Lingerie~after story~
「あら、買い出し?」
「…そっちこそ」
時間にして昼下がりの14時過ぎくらいか。
自分のフロアを後にし一階ロビーを横切りながらエントランスに向かっていた途中。
まさにその入り口から今ほど社内に身を戻したらしいイズミと鉢合わせした状況。
見上げる姿は外の天候を伺える様に湿り気を帯びており、傘からはみ出ていたらしき腕や衣服は水滴を滴らせ元の色からワントーン暗めの色彩を見せる。
「買い出しと言うより市場調査みたいなものよ。服なり靴なり流行り物にも目を通して常に刺激を得るのも仕事の一種なのよ」
「何もこんな天気の日に行かなくても、」
「ちょうど今私の企画ひと段落してるのよね。九条の方は新商品開発にバタついてるけど」
「ああ、うん。なんかそう言ってた。今日も遅くなるかもって」
「フフッ、寂しいならこの前みたいに構ってあげに行きましょうか?」
「っ…遠慮します!ってか、何度も言ってるでしょ?その……私が好きなのは九条くんだって…」
「あら、だから何度も言ってるじゃない?その気持ちをこちらに向かせる努力は惜しまないって」
「っ……」
「フフッ、私結構忍耐強くて一途なの」
そんな言葉と共に私の唇をトンっと突く指先は雨に冷やされ冷たいもの。
なのに、相反して熱の上がる私の心情の厄介な事と言ったら。