Lingerie~after story~
「……なんと言うか、大変申し訳ございませんでした」
ようやく絞り出したその一言には私の全力の懺悔と謝罪をこれでもかと乗せていたと思う。
それでもまだ足りぬのでは?と、下げた頭を上げられずにいる。
そんな私の上から落とされるのはどこまでも穏やかで、更には小さく笑う柔らかな声音。
だからこそ、余計に申し訳なくなって深々と頭を下げ直してしまうのだ。
「いえいえ、お嬢さんに怪我が無くて良かった。しかし、雨からは庇えず不甲斐ない事ないですね」
「そんな事っ!!断じてございません!!むしろ…っ……逆に怪我をさせてしまって本当に申し訳なく……」
「お気になさらないでください。軽く捻っただけですから、」
そう言いながら私を宥める様に上がった右手首には痛々しいと言える治療の跡。
呼び止められたエントランス、振り返ったはずみに足を滑らせた私に手を伸ばし助けてくれたのはこの人であった。
転ばずには済んだものの、土砂降りの雨に2人して滝修行をしたような形になり、更には咄嗟の負荷で彼の手首を痛める結果となってしまった。
自分の為の負傷。
さすがに『ありがとうございました』よりも『すみません』の心が勝る。
当然、そのまま『さようなら』と言うのは良心に反するし、むしろ尽くさねば!と、タイミングよくその人を迎えに到着した車に同乗し病院まで付き添った。