Lingerie~after story~
これで、ようやくだろうか?
簡単に自分の身を納得出来るまでに整えると、脱いだ衣服を畳み鞄に詰め込みその部屋を後にする。
廊下に出た頃には滝の様な豪雨はすでに雨脚を緩めていて、程々に情緒を見せながら庭の草木に潤いを与えていた。
そんな景色を横目、軋みもない廊下を自然と静々歩きぬけて、記憶していた最初の部屋の前にたどり着くとゆっくり身を下げ膝を床に。
「失礼します」と声を響かせ、閉っていた障子を両手で静かに横に滑らせた。
「ああ、終えられましたか?はは、そんな堅苦しい感じにお出でにならなくても」
「……それこそ、身に染みた癖なのかと」
「成程」
「……礼儀作法に厳しい祖父がいたもので」
「その厳しさに応え努力した時間は実にあなたを美しく魅せておられますよ」
「っ……」
また……だ。
些細な一言に先程と同じように胸の奥がじりりと熱くなるのを感じる。
これは……知ってる。分かってる。
私の心が……小さくも歓喜して沸いているんだと。
『認められて嬉しい』
そんな……小さな声が奥底から反響して聞こえる様で。
嬉しい……。
表面上には変わることない平常を貼り付けて、内心でははにかむ心を静かに宥める。