Lingerie~after story~


何でだろう?

羞恥もなければ焦りもなくて、ただストンと、『ああ、言ってしまった』なんて思うだけ。

思ったままを、嬉しいと感じたままを口から零す。

そこに今は羞恥なんて物を感じなくて、

「えと……どうしたの?なんか……寧々さんらしくないって言うか…」

「そ……だね。ゴメン、なんか………素直に嬉しいって感情が漏れちゃって」

「っ……」

「あれ?……なんかまた……、でも……嬉しかったのよ。私の為に帰って来てくれた事。……九条くんにおかえりって言ってもらえたのが」

「っ~~~……とりあえず、」

「うん?」

「こっち来て。………抱きしめたくて…限界だわ」

限界だなんて。

だったら九条くんから抱きしめにくればいいのに。

そんな突っ込みは心の内側でだけ。

本当にもどかし気に苦悶を浮かべ、私に両手を広げる彼の姿がなんだか愛らしくていじらしくて。

促されるまま距離を詰めると、抱きしめに来るより早く彼の体に腕を回し胸に顔を埋めていった。

そんな刹那に彼が息を飲む音が耳を掠めて口の端が上がる。

驚くよね?

私も……自分の感情の解放に驚いてるの。

でも、悪くない。


< 282 / 416 >

この作品をシェア

pagetop