Lingerie~after story~
おかしい。
やっぱりその感覚おかしいよ九条くん。
泣いた事で鬱陶しいと呆れられる反応の方がまだ理解できて納得するのに。
なんて、心で訴えても目の前のお人の恍惚さは変わらない。
呆れるどころか、鬱陶しいと思うどころか、私の泣き怯む姿に舌舐めずりをしているような。
今にも食らい付かれそうな恐怖を前にしたら、浮かんでいた涙も飛ぶってもんでしょ。
「あれ?どうしたの?もっと怯んで泣いていいよ?」
「っ…充分に怯んでるって!その恍惚とした目が恐いっ!」
「ああ、仕方ないよ。興奮してるから」
「恐いっ!な、だっ、九条くん変っ!!ふ、普通、ってか、九条くんなら尚の事女の子が泣く場面とか鬱陶しがって嫌悪して、これでもかって邪険にしそうなのに!」
「寧々さんからの俺印象って相変わらずだよね。まぁ、間違ってないから否定もしないけど、」
「ま、間違ってないならなん…」
「女の涙とか被害妄想、立場利用の弱者強調が多々で本当に嫌いだけどね。理由が全うなら尊いと思うし、儚いと思うし、なにより……寧々さんが泣く理由って俺が大好きって意思表示だから興奮する」
「っ……」
「って、事だから、思う存分泣いていいよ」
「泣くか!!」
いや、泣きたい様な現実だけども。
少なくとも、さっきまで抱いていた不毛な感情は今の九条くんに相殺された。