Lingerie~after story~
だって、あからさまに不機嫌をぶつけられると思っていた。
『何、イズミといちゃついてるんだよ』とこちらの言い分丸無視で畏怖するような憤りをぶつけられるのだと。
なのに、こうして向かい合う彼の波紋一つ見せない様な冷静な様には拍子抜け。
拍子抜けだと感じるのに逆にどこか緊張して落ち着かないのだから不思議だ。
それに……調子が狂うよ。
3人で飲んでいる時もだ。
徐々に最初の様なあからさまな嫉妬からの不満が発せられなくなったのだ。
そりゃ、『触んな』とか不愉快そうに音を弾いたりはしていたけれど、狂気的な勢いで私を独占するような勢いは減少した。
てっきり2人きりになればいつも通りのそんな彼に戻るのかと思った。
思ったのに……。
「っ……ねえっ、」
「なに?」
「…………その、」
「うん?」
「…………怒って……る?」
「俺、今怒鳴ってる?」
「いや…怒鳴ってないけど…さ」
怒鳴ってくれた方が、不機嫌をぶつけてくれた方が落ち着くだなんて……おかしいのは私だって分かってるけどさ。
結局それ以上の言葉は続かず、状況に変化も与えられずに沈黙の飲み会が静かに進行する。