Lingerie~after story~


この一週間、どうやって彼と過ごしていたんだっけ?

多分似たような沈黙の場面なんて多々あった筈なのに、こんな風に気まずい心持で居た堪れなくなるような瞬間は覚えがない。

居た堪れない。

さすがに限界だとゆっくり身を起こすと「着替えてくるね」と理由をつけて寝室のクローゼットへと足を向けた。

それを引き止める様な声音もなく、それに安堵する心と不安になる心と。

スッキリしない。

怒られないならいいじゃない。

九条くんだってイズミと私の関係性を理解して汲んであれこれ言わなくなったのかもしれないじゃない。

私だって九条くんに怒られたいのと違う。

だって本気で憤りをあらわにする彼は思いだしても……、

そこまで思考を巡らせて、でも結論を弾く前に不意に背後に感じた気配に振り返ったと同時に抱きすくめられた。

薄暗い寝室のクローゼット前、着替え途中であった自分の体は彼の艶やかな下着のみ。

肌にヒヤリと部屋の冷たい空気が触れるのに、背中だけが彼の温もりを感じて変な感覚だ。

違う……背中と肩と耳……

「何、……逃げてるの?」

「っ………」

「緊張して……こんな風に…」

「あっ、」

思わず小さくも声が漏れた。

不意打ちであるのに実に柔らかく胸元を這ってきた指先に。

九条くんの熱だ…。

這う指先に真っ先にそんな感想が浮かぶ自分はどこかおかしい?

そんな熱に安堵も覚えれば不安も同じほど浮上する事も。
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