Lingerie~after story~
それでも、一呼吸ごくりと飲み込み意を決して、畳に両手を着くと深々と頭を下げて唇を動かした。
「この度の身に余る程の縁談のお話、謹んでお断りさせていただきます」
「………」
もしも、九条くんと出会っていなかったら。
九条くんの甘さもキツさも知ることが無く、イズミの甘さだけを知っていたのであったなら……喜んで受けたであろう縁談だろう。
これは二度目の決別?それでも一度目のアレは無効でこれが正式?
何にせよ……きっと今度こそイズミも私に対しての恋愛フィルターは薄くなっていくんだろうな。
そうして徐々に世話焼きも遠くなって、きっと他の人にそれは移行する。
イズミに愛される人は幸せなんだろうな。
きっと私がされたみたいに過剰に世話を焼かれて、甘やかされて、いきなりのイズミ様のイケメンさにあてられて戸惑って……。
……あれ?
なんか…………凄く悔し……。
悔しくて泣きたくなってきた…。
どれだけ女々しいんだろう、私。
自分で振って、そのイズミの幸せな行く末を想像して嫉妬するなんてどこまで性根が悪いんだろう。
そんな事を思っても、自分を詰ろうと素直な心が悔しがって、張りたくもない涙が眼球に膜を張るのだから堪らない。