Lingerie~after story~
私があの一言を言うのにどれほど意を決していたと思うのよ!!
さすがに色めいた感情も相殺される衝撃には、イズミの体を全力で押し返して体を起こしていた程。
そんな私に尚も開き直ってククッと笑う表情は意地の悪い物で、あからさまに『嫌い!』と詰ればそれさえも楽し気に笑い飛ばされるのだ。
本当…一発殴っても許される場面じゃなかろうか?
人の事をあの手この手で搔き乱してあげくこんな風に笑い飛ばすなんて!
このっ、と振り上げた片手だけども本気の力で振り切ろうとはさすがに思ってはいなかった。
だから当たる前に掴まれた手首の感触でさえ想定内。
……なのに、
「っ……」
「……振って……九条のところに戻ってこいよ寧々」
イズミの声が、音が耳に入るより早く掌で感じ取らされる。
手首を掴まれ、引かれ、そっと内側に押し当てられた唇の感触には抱いていた微々たる憤りなんて静かに溶けた。
それをまるで肌を通して理解している様に、クスリと失笑を響かせた唇が薬指を食んだのは敢えてなのか。
それに……何でよ?
「っ……なんで…九条くんよ」
「ん?俺のところなら更に大歓迎だけど?」
「勿論九条くんのところに帰るけど何で……」
そんな疑問を向けて『しまった』と感じてしまったのは、イズミの目がその問いかけを待っていたように細まったから。