Lingerie~after story~
この家に来て、あれよあれよだ。
長いようで、でも短いようで。
相も変わらず娯楽の少ない実家では時間を持て余すし、九条くんも恋しいし。
なのに、週末のお見合いという望まぬイベント事へはどんなに足掻いても時間は進んでしまう。
逃げ出さぬようにと紗々ちゃんのガードは強烈だし、監禁されてから動き回れるのは家の敷地内ばかり。
そんな中で持ちこんだ仕事はありがたい事に外と繋がる唯一のリアルで安心する。
それでも、今日ばかりはその繋がりは断たれている。
朝から私以外は騒々しく慌ただしい。
それもその筈なのだ、何せ……今日がお見合い当日なんだもの。
だから当然私も朝早くから起こされいつも以上に上等な着物を身に纏い髪も結い上げられ、化粧さえも自らではなくプロの施しを受けたところだ。
「もう、寧々ちゃんったら、せーっかくこんなにべらぼうに別嬪さんに仕上げてもらったっていうのに、そのブスっとした顔どうにかならない?」
「今すぐ化粧落として着物脱いで自分のマンションに帰って良いって言ってくれたら最高の笑顔を見せてあげられるけど?」
「……大丈夫よ。寧々ちゃんは無表情でも美人さんだから」
笑顔でサラッと話を流しましたのことですか?