Lingerie~after story~



「………お前は、……自由の上でしか大輪に咲く事がない」

「………えっ?」

「昔からそうだ。自由の上でこそお前の価値が花開く。この家では無理だ」

「………お爺様?」

「お前は……何もしなくていい」

「……」

「水守の為には何もしなくていい。自分の為に、自分の糧になる事を自由にすれば良い」

「っ……」

そ…れは……、今の解釈?

それとも、過去も含めての解釈?

そう取って良いんでしょうか?お爺様。

呼び止められるように発せられた言葉は過去の瞬間を彷彿とさせる響きであったのに、付属された言葉によって過去の解釈もまた変わってくる。

私はてっきり間引きされたのだと思っていた。

でも、今の言葉がもし過去にも含まれていたのだとしたら?

それを確認しようにもすでに祖父は私より先に身を動かし台所から去りかけている。

引き止めて追及する?

いや、……野暮か。

それに、きっとアレはお爺様の精一杯の愛情表現だ。

水守の当主としてじゃなく、祖父としての言葉。

それを今こうして感じ取れているのだからそれでいいじゃない。

「……ありがとう」

静かに発した感謝の言葉は、すでに去った祖父の耳には届いていない自己満足の物だ。

それでもいい。

感謝する事、出来る事が重要。

過去も今も……私を肯定してくれた感謝します。お爺様。

そして、今度は……のんびりと縁側でお茶でもしましょうね。

< 347 / 416 >

この作品をシェア

pagetop