Lingerie~after story~
さぁ、いよいよだ。
久しぶりと感じていいのか、来たばかりだと感じるべきなのか、相変わらず自ずと静を纏ってしまう場所だと感じた。
お見合いと言うからてっきりどこぞの料亭とか格式あるホテルの一間なんかで行われるのかと思っていた。
なのに……
敵陣本拠地…か。
車に乗り移動し到着したのは見覚えのある徳嶺の門の前。
まあ、どこで開かれようが戦場には変わりないと、前に来た時の様に心穏やかには居られないのは本当。
それでもだ、
「皆様、良くお越しくださいました」
……どんなに気を引き締めてもだ。どうしてもこの人の纏う静の空気には敵う気がしないのは何でだろうか?
流麗な所作や言動で私達を迎え、こちらの張っている気をいとも簡単に解きほぐしに来るのだから困ってしまう。
「寧々さん、この度は急な申し出で驚かしてしまって申し訳ありません」
「あっ……いえ、」
「でも、こうしてまた我が家にお出でいただけたこと本当に嬉しく思っていますよ」
「それは…あの……私も、」
「そうですか、良かった。少し心配していたのですよ。この話に気を悪くし印象を悪くしてしまったのではないかと」
「い、いえ、印象を悪くとは…」
「安心しました。きっと、徳嶺にも水守家にとっても良き日になる事でしょうね」
「っ……あ、いや……あのですね、そういう結びとはまた別な…」
「さぁ、お部屋に案内いたしますね」
っ……うっかり…あの穏やかな流れに流されてしまった。