Lingerie~after story~
だって、どこまでも低姿勢で穏やかなんだもん!!
あのどこか申し訳なさげな笑顔と口調に逆らうポイントがどうにも掴めなくて、気が付けばこのお見合いに私が乗り気であったようなまとまりになってしまっている。
いやいやいや、お断りする気満々なんですよ!思いっきり失礼をぶちかます気満々で私ここに出向いちゃってるんですよ!
そんな宣言も出来ぬまま、私達への案内に背を向けた姿にはトボトボとついて行くことしか出来ず、私を隣に居た紗々ちゃんだけがクスリと笑ってくるから物凄く悔しい。
だって、『無駄な抵抗』って笑われてる気がして。
いや、気がしてるんじゃなくて絶対にそういう意味の笑顔だ。
徳嶺さんに逆らう事の難しさをよく理解しての嘲笑。
くそぉ、負けるもんか。
そんな意気込みとほぼ同時。
「どうぞ、こちらでお待ちください」
そうして案内された一室は庭の景観が一番素晴らしい部屋であるのだろう。
客様の座布団が敷かれ、下手な料亭よりも品よくその場が整っている。
でも、てっきり……
「本来女性をお待たせするのは失礼であると承知しておりますが、どうやら息子の方が移動中渋滞にはまっているようで。もう少々こちらでお待ちいただけますか?」
「ええ、お気になさらず。逆に妹の心の準備も整いましょう」
いや、心の準備はとっくに出来てるんだけど?
そんな風に心で詰ってみたところで姉に届くはずもなく、徳嶺さんも『失礼します』と頭を下げると一度部屋を退出していった。