Lingerie~after story~



「フフッ、徳嶺さんからこのお話を頂いた時には驚いたわ。まさか明家の2人がお互いに知らず知らずに出会って恋仲だなんて」

「寧々さんを徳嶺家の嫁として迎い入れる事になれば爽君も少しはこっちの本分にも目を向けてくれると思ったしね」

「ちっ…大人しくしてると思った時ほど碌な事考えてねぇな。俺にも寧々さんにも詳細な事情ひた隠しで焦らせて、さも早急に仲を引き裂く様に見せかけて俺を罠にかけたって事だろ?俺が自分から徳嶺を継ぐって言わせるように仕向けやがって」

「おやおや、全てがこちらのせいと言いきれない筈だよ爽くん?2人が普段からもっと自分たちの事を打ち明けていればこんなこちらの都合良しにはならなかった筈だ」

「ちっ……」

「寧々さんが一言でも相手が徳嶺の人間だと君に告げていれば?もしくは、爽くんが先に本名を打ち明けていれば?……こんな迷走劇は起こり得なかった筈だろう?」

「分かってる。分かってるからこそ自分に腹が立つし、俺が寧々さんに徳嶺の事言ってる筈がないと知ってて、それを都合良しに利用して振り回した親父にも腹が立つんだよ」

「自分が勝てる手札が揃っていて、賭けに出ない筈がないだろう?」

にっこりと微笑む徳嶺さんは相変わらず穏やかなものであると言うのにしたたかに強い。

あの九条くんが結局は言い負かされて、頭を掻きながら眉根を寄せて押し黙るのだ。

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