Lingerie~after story~



確かに…徳嶺さんの言う通りだ。

私と九条くんは話さな過ぎるところがある。

あんなに一緒に居たというのに、言葉を交わして触れ合って、どんどんとその距離を縮めているつもりでいたけれど、肝心要の部分が緩かった。

そうなの……徳嶺 爽が本名なの…。

それすら今知ったばかりの事。

好きな相手の本名さえやっと今なのだ。

いつでも聞くことが出来た距離。

でも、だからこそその『いつでも』に甘んじて後回しにし過ぎていたんだ。

いつでも聞けるのだから後でもいいか。と…。

お互いに……触れる距離や関係の心地よさにばかりに浸りすぎていたね九条くん。

改めて……よく分かったよ。

「まぁまぁ、でも良かったじゃありませんか?寧々ちゃんのお相手は爽さんご本人なんですから。こうして種明かしした今全員の問題は解決して大団円と言う結びでは?」

「爽君だって相手が寧々さんならこのお見合いの席に着くだろう?」

「そもそも、俺は『お見合い』だなんて言葉一言も聞いてなかったんだけどなぁ?跡を継ぐ最初の仕事として知人に顔見せしろとしか聞いてなかったんだが?」

「水守さんは古くからの大切な知人だよ。ほら、嘘偽りではない」

「どこまでもどこまでも……ああ言えばこう言う……」

「爽、」

「………っ………分かったよ」

ハァッと言う意識の切り替えの様な息遣いを一度。


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